後半戦突入(打撃編)

 後半戦が始まってからしばらく経ちますが、ペナントの行方は阪神・中日の2球団に絞られたようです。しかし。わがヤクルトもまだ毎度おなじみAクラス狙いが残っております。一応自力優勝の目もありますし。そこでこれから先、如何に勝っていくか考えてみたいと思います。
 後半戦のここまで5試合を振り返ってみると対広島戦1勝1敗、対阪神戦2勝1敗と前半戦終盤のどん底からは這い出した気配があります。広島戦の1敗は抑えの石井がたまたま打ち込まれただけなので、実質は勝ちとみてもいいかと思います。なぜかといえば苦戦してきた理由が投打のアンバランスさであり、打線が打てなかったり先発中継ぎが崩れる可能性よりも、一番信頼できる石井が打たれる可能性の方が圧倒的に低いからです。
 では前半戦終盤と後半戦に入ってからの違いといえば何か、といえば、阪神戦からの打線改造、そして不調だった宮本の復調。投手陣でいえば五十嵐の復調による中継ぎの改善があげられます。
 まず打線の比較から。
前半戦の打線

  1. 青木
  2. 宮本
  3. 岩村
  4. ラミレス
  5. 鈴木健
  6. 古田
  7. 真中(宮出)
  8. 土橋
  9. (投手)

この打線は左打ち・右打ちをジグザグに並べたのが特徴ですが、キーマンは鈴木古田にあるといえます。前半戦中盤から首位打者争いをしている青木や強打者岩村・ラミレスが出塁した後に鈴木、古田がたまったランナーを返せるかどうかが重要だからです。しかし、鈴木健、古田は年齢による疲れのたまりやすさや足の故障などもあり打率2割6分前後という極度の不調で、なかなかランナーを返せません。さらに、この二人、足が遅く、ヒットを打ったとしても今期は単打が目立ちます。ランナー一塁で続く打者が鈍足なのでダブルプレーが大量発生し、流れを悪くしているのです。
 では阪神戦の打線はどうかというと

後半戦(阪神戦)

  1. 青木
  2. 宮本
  3. 岩村
  4. ラミレス
  5. 宮出
  6. リグス
  7. 古田
  8. 土橋
  9. (投手)

変更点は鈴木健がベンチに下がり6番ファーストにリグスが入り、宮出を7番から5番にあげ、古田を6番から7番に下げている点です。ここで重要なのは当然リグス宮出です。
 リグス俊足の中距離打者として獲得されました。当初はライトで起用されるはずでしたが、肩があまりにも弱く、交流戦以外では代打での起用がほとんどでした。しかしファーストで起用することにより肩は弱点ではなくなり、チームでも上位に入る俊足のためたとえ凡打に終わったとしても併殺は発生しづらく、盗塁も期待できます。心配していた内野守備も無難にこなせているようです。あと重要なのは全力プレーが出来ることです。内野ゴロでも全力で走るような選手なので、緩慢なプレーが多い鈴木健と違い、ファンの好感を得ていると思います。
 宮出は投手から野手へ転向した身長190cmのスラッガーです。故障で転向したわけではないので強肩は健在、長い足を生かした脚力もなかなかのもので塁間でもそこそこ、特に外野守備(守備範囲の広さ)に活かせています。今期は真中との併用が多く、前半戦真中が好調だったこともあり、出番は減っていましたが、打率は.350、特に得点圏での打率が.415と素晴らしく、スタメンで使いたくなる選手です。スラッガーというだけあって打球は非常に速く、HRが少ないこのチームにおいて重要な2塁打が多く打てます。もちろんHRもラミレス、岩村の次に期待できると思います。
 あと冒頭で述べた宮本の復調も大きいです。好調を維持している青木の次の打者が重要なのは当然ですが、宮本の技術が活かしきれれば(特に右打ちのヒッティング)、ランナー3塁かランナー1・3塁という状況となり3番、4番が犠牲フライでも点を入れられることになります。
これからの打線の課題点としてはやはり4番ラミレスの復調リグスがどれくらい打てるか、というところです。夏に強いラミレスのこと、きっと活躍してくれると信じたい。しかしフォーク、スライダーをぶん回しているようでは駄目です。ラミレスに対する攻め方(特にランナーがいる場面で)は徹底して「ボールになる変化球を多用」なのはわかりきっているはず(ラミちゃんわかってるよね?)見極めをしっかりして欲しいと思います。
 個人的には土橋さんに打率3割打って欲しいですね。いぶし銀の活躍、期待しております。鈴木健も真中も戦力としては明らかに必要なので夏場は代打メインで休み休み起用していく方向でいいと思います。