2010年に向けて現戦力の確認

1.はじめに
 今年のペナントは3位にかろうじて滑りこむことができました。しかし、CSでは怪我人、病人続出で試合にならず、2軍のフェニックスリーグでは野手転向を目指す高井はまだしも、フェルナンデスなどの投手が野手として出場する有様。選手層の薄さは明らかであります。
 そこで、ドラフトを直前に控える今、現在の戦力を確認し、どのような選手が必要なのかを明らかにしたいと思います。
 以下では、スタメン級、スタメン争いレベル、1軍控え、2軍育成の4段階で選手を分け、整理します。ヤクルトでは複数の守備位置を守ることが多いので、一人の選手が異なる守備に入ることまでを想定しています。名前の右の数字は来年の満年齢です。

2.捕手
・スタメン
 相川(34)

・スタメン争い
 川本(28)

・サブ
 福川(34)、米野(28)

・2軍
 中村(20)、水野(23)、新田(28)、衣川(29)

 育成枠の小山田が戦力外となりましたが、依然として8名が在籍。人数としては十分です。
 1軍では相川は怪我さえなければ使わざるを得ません。また、2軍でもルーキー中村が3割を超える成績を残しており、来年も中心選手として起用されると思われます。
したがって、今年は、補強の必要はないと思います。

3.ファースト
・スタメン
 デントナ(28)

・スタメン争い
 畠山(28)、武内(27)、ユウイチ(30)

・サブ
 野口(29)

・2軍
 吉本(30)

 本来は、スタメン争い以下を全て1ランクずつ下げるべきではあります。しかし、2軍にデントナが怪我がちであり、また残留が確定しているわけでもないので、あえてこのように整理しました。
 年齢をみれば一目瞭然、26歳以下が皆無という有様。非常に偏っています。1塁は打撃力(長打力)が要求されるポジションであり、正直、現在いる日本人選手では物足りないといわざるを得ません。もちろん、外人選手を取ればいいという考え方もありますが、ヤクルトのこれまでの歴史を鑑みれば、外人に頼ってばかりでは安定して強いチームを作ることができないことはよくわかります。ええ、わかりますとも。
 したがって、大学生、高校生のいずれかで、長打力のある選手を獲得するべきです。ただし、他のポジションに比べれば優先順位は低いものとなるので、日ハム中田クラスの逸材でなければ上位で指名する必要はなく、下位で打撃に魅力のある選手がいれば獲得する程度で十分でしょう。

4.セカンド
・スタメン
 田中浩(28)

・スタメン争い
 なし

・サブ
 梶本(27)、野口(29)

・2軍
 森岡(26)、三輪(26)

 この他、川端(23)も守備に入ることが考えられます(ただしスペですが)。
 田中も怪我さえなければスタメン確定です。しかし、経年疲労か、今年は中盤以降失速してしまったのをどう考えるべきか。
 この点を踏まえてもなお、現状ではあえて新戦力を獲得する必要はないと思います。セカンドというよりもショートでスタメン争いのできる選手を獲得すべきなので、優先順位は低いです(ショートのスタメン争いであぶれた選手をセカンドに回すことも可能です)。

5.ショート
・スタメン
 なし

・スタメン争い
 川島(27)、鬼崎(27)

・サブ
 川端(23)

・2軍
 なし

 さらに、ベテラン宮本(40)をショートに回すことも考えられますが、年齢的に、バックアップ的なものと考えざるを得ません。
 ショートはセカンド以上に守備力が必要ですので、一応守れる、という程度の選手は全て除外しました。
 すると、残ったのは上記の3人のみ。しかも、守備範囲が狭かったり、エラーがやや多かったり、肩がさほど強くなかったりというように、中途半端な選手ばかりです。せめて、守備の破綻のない選手が欲しいところです。
 したがって、今年は、即戦力のショートの獲得が望まれます。現有戦力でやりくりするとしても、怪我がちな川端しか若手がいないのは問題なので、やはり獲得が必須だと思います。これと同時に、強打の高校生を取ってみてもいいかもしれません。守備がイマイチでもサードや外野、ファーストに回すことが可能です。この場合は下位指名になるでしょう。

6.サード
・スタメン
 宮本(40)

・スタメン争い
 畠山(28)

・サブ
 野口(29)、川端(23)

・2軍
 吉本(30)

 宮本に関しては、年齢的にもフル出場は難しいところなので、畠山以下の出番も多くなるでしょう。しかし、いずれも打力が微妙な選手ばかり。サードもファーストほどではないものの、やはり打力が必要なポジションです。層の薄さも否定できません。
 そこで、今年は、打力に期待できる選手を1人は獲得したいところ。打撃に関してはなかなか即戦力というわけにもいかないので、大学生、高校生にこだわらず指名すべきでしょう。

7.外野手
 外野に関しては各ポジション間の流動性が高いので、一括して考察します。
・スタメン
 ライト ガイエル(38)
 センター 青木(28)
 レフト 福地(35)

・スタメン争い
 飯原(27)、武内(27)

・サブ
 ユウイチ(30)、志田(31)

・2軍
 上田(22)、中尾(28)、(高井(26))

 牧谷、斉藤が戦力外となったので、外野手は9人(外野手転向予定の高井を含めれば10人)。このうち、ガイエル、福地とも高年齢で成績も微妙、ユウイチ、武内など外野守備に難がある選手もおり、なにより青木が近い将来メジャー挑戦するであろうこと、26歳以下が上田しかいないことを踏まえると、新戦力の獲得が望まれます。飯原が控えていることを考えれば、即戦力は必要でないと思われるので、長打力の期待できる大学生、高校生を獲得すべきでしょう。巧打型の選手というのは毎年出てくるものなので獲得の必要性は低いと思われます。

8.まとめ
 優先順位も踏まえて並べると
 
 即戦力(好守型)ショート>強打のサードないしショート>打撃優位の外野手(>強打のファースト)
 
 となります。即戦力投手の必要性が高いので、指名巡は全体的に後回しになると思いますが、ショートに関しては上位で指名する必要があると思います。具体的には2巡で荒木(近大)あたりはどうでしょうか?というか菊池を指名して外したときのリスクとか考えているのだろうか・・・